カテゴリー
未分類

自転車整理も楽しい仕事

子供の通う小学校で運動会が有った。PTAがお父さんのお手伝いを募集していたので、志願することにした。お手伝いの中身は自転車整理だ。運動会は雨により順延に順延が重なり、平日の火曜日に催された。

受付で名前を書くと腕章をもらって早速仕事開始!!
平日の開催だったにもかかわらず、自転車はどんどん学校の中に吸い込まれ、予定していたスペースはあっと言う間に埋まっていった。
9割ほど埋まったあたりで、入ってくる自転車の流れが少し止まった。止まったと言っても仕事は止まらない。この間を利用して、自転車の整理・整頓をして、まとまったスペースを確保しないといけない。

狭いスペースに自転車の前輪だけつっこんでほったらかすやつは困り者だ。そんな自転車は別の空きスペースに移動したいところだが、そうもいかない。取りに帰る人が路頭に迷わないよう、元の位置から動かさない方がいいからだ。文句を言いながらも、前輪だけつっこんだ自転車の左右10台ぐらいを少しずつ移動させてスペースを作り、どっこいしょと言いながら自転車を奥まで入れてやる。

バイクやオートバイも駐輪場に入ってくるが、自動の二輪車は、できるだけまとめて駐輪してもらうよう利用者を誘導する。

しばらく作業を続けていると要領がつかめてくる。そして利用者にもっと喜んでもらえる工夫はないものかと考える余裕が出てきた。
そこで実行してみたのは次の二つ。

# 取り出しの手伝い
自転車を取りに来た人が、自転車を引っ張り出すのは結構大変なものだ。特に収容スペースに余裕が無い。ギチギチに詰め込まれた駐輪場ではなお更だ。力の無い年配の女性が困っているのを見て、取り出しのを手伝いをすることにした。遠い場所でも走って手伝いに行った。これは大変喜ばれた。

# 空きスペースの案内
止めに来た人がウロウロ空き場所を探さないで済むように、空いた場所の位置を覚えておき、「あそこが空いています」と案内した。これも良かったと思う。

実行はしなかったが声をかけるのも良いかもしれない。「さあ、お楽しみください!!」、「今だいぶ盛り上がってますよ!!」、「これから一年生の40m走が始まりますよ!!」と言って会場へ送り出すのだ。

私は最寄り駅まで自転車を利用している。有料、無料の2種類の駐輪場が用意されているが両者の差は大きい。有料の方は駅から近く、雨をしのぐ屋根がついている。整理・集金を行うスタッフは、青いユニフォームを着用し、「行ってらっしゃい!!」の威勢のいい掛け声で利用者を送り出す。
一方無料の方は、駅から遠く、屋根も無い。自転車を整理するシルバー人材センターのおじいさんも朝の数時間だけの勤務なので、おじいさんがいなくなった後、自転車は時間の経過と共にゴチャゴチャになっていく。

有料(1日100円)と無料の差は明らかに大きいのだが、その一番の差は元気のいいスタッフのきびきびした動きと「行ってらっしゃい!!」の掛け声に有る。

駐輪場を一つのビジネスと捉えた場合、更にどんなサービスが可能だろうか。
ちょっと想像をめぐらしてこんな事を考えた。

# 空気が抜けかかっている自転車には空気を入れておく
# 錆びている部分が有ったら磨いて油をさす
# タイヤが磨り減っていたら交換する
# 自転車の鍵を無くしたらその場で新しいのと交換する
あとの2つは自転車屋さんとタイアップが必要だろう。そういうスペシャルなサービスは年間契約にして10万円ぐらいとらないと無理か。それだけ高いお金を払う人には、特別な休憩所を用意し、コーヒーなどドリンクが飲み放題、雨の日に傘の無料提供などのサービスをしても良いだろう。

自転車の総数は一番多いときで500台弱に達した。それを3、4人のパパたちが整理したのだ。私は午後の仕事が有ったので半日だけで終わったが、多くの利用者から感謝の言葉も頂き、楽しく仕事をすることが出来た。

カテゴリー
未分類

NHKの「ギター教室」

私がクラシック音楽を演奏するギター(いわゆるクラシックギター)の存在を知ったのはNHK教育テレビで放送していた「ギター教室」を見てからだ。当時NHKはギターだけでなく、ピアノ、ヴァイオリン、フルートの教室も放送していた。私はフルートに憧れていたので、フルート教室の方を熱心に見ていた。フルート教室の講師は吉田雅夫さん、大御所です。

「ギター教室」を初めて見たときの先生は寿楽光雄という方だった。先生の演奏は記憶に無いのだが、生徒さんが演奏していたタレガのラグリマや、ジュリアーニのアレグロヴィヴァーチェはとても美しく、うっとりしながら聴いていた。

「ギター教室」は半年、もしくは一年で講師が入れ替わった。当時若手三羽ガラスと言われた荘村清志、渡邊範彦、芳志戸幹雄氏らが講師になったこともある。今から考えたら本当に凄い時代だった。現在に置き換えれば大萩康司、村治佳織、木村大さんあたりが講師を勤めるのと同じではないか。もし村治さんが講師になったら、にわかギター学習者が増えて、どこの書店でもテキスト完売が続出!! 、、、、あり得ない話ではない。

さて昔に戻るが、小遣いを貯めてモーリスの7200円のギターを入手し「ギター教室」で勉強することにした。フルートにも憧れたが、フルートは高かったので断念しギターに変えたのだ。その時の「ギター教室」の講師は高峰巌さんといい、髭をたくわえた優しいおじさんだった。テキストの中にマスネ「エレジー」の編曲譜が有った。テキストは紛失してしまったが「エレジー」は今でも指が覚えている。

ある時、そのエレジーを原曲の歌で聴く企画が有った。スピーカーからエレジーが流れ始めると、高峰さんは曲に聴き入った。テレビに収録されていることを忘れるくらい聴き惚れてしまった高峰さんは、曲が終わってもしばらく動かなかった。
しばしの沈黙の後、「すっかり聴き入ってしまいました」と眼鏡の奥の優しい目が動き出した。高峰さんは優しい先生だった。

私のギター人生はこのおじさんと共にはじまったのだ。

カテゴリー
未分類

本を読む女

仕事場への道すがら、歩きながら本を読んでいる女性を見かける。私は日比谷公園を通るのだが、その女性も私と同じコースを歩いている。日比谷公園を出て、交番の前の横断歩道を渡り、同じビルの中に入るまで、常に本を読みながらて歩いているのだ。
横断歩道を渡るときも、人や車に視線を動かすことなく、活字を追い続けている。
この女性は、通用口でIDカードを提示し、エレベーターに乗り、そしてロッカーに到着するまで本から目が離れないに違いない。

好奇心に駆られた私はある日、横からその女性の顔を覗いてみたこともあるが、視線は文字通り、本に釘付けになっていた。

雨の日にこの女性を見かけたが、右手に傘、左手に本を持っているのを発見したときは、「この人は本当に本が好きなんだな」と大いに感心して(半ば呆れて)しまったのだ。

昔、伊丹十三さんが書いた「女たちよ」というエッセイにて、伊丹さんは若かりしころ、自転車に乗りながら本を読んだというのを見て、驚いたことがある。伊丹さんは相当バランス感覚が発達していたのだろう。

私は、残念ながら本の虫ではない。読書は好きなのだが、スピードが出ないので、流れに乗れないまま、中途半端に終わったり、途中で挫折したりすることも少なくない。
だからここまで読書が好きな人たちを少し羨ましく思ったりするのである。