デュリュフレのレクイエムを戸塚混声合唱団で聴く

この曲と出会ったのはいつの頃だろうか。恐らくはCDを買いまくっていた1990年前後だったと思う。

そのCDとは、

モーリス・デュリュフレ/「レクイエム作品9」、「4つのモテット」
指揮/ミシェル・コルボ、コロンヌ管弦楽団・合唱団
メゾ・ソプラノ/テレサ・ベルガンサ
バリトン/ホセ・ファン・ダム

ほぼ同じ時期にコルボ指揮によるフォーレ「レクイエム」も購入した。デュリュフレのレクイエムをどのような状況で知ったのかは、今となっては全く憶えていない。誰かが教えてくれたのか、、、そうではない気がする。店頭で衝動買いしたのか。あの頃はフランスもの、現代ものを沢山聴いていたから、あり得るかもしれない。きっかけはどうあれ、何回も聴いている内にこの曲が大のお気に入りになり、その後も様々な演奏家のCDを買い、気がつくとスコアも購入してしまった位だ。

1992年に、コルボさんが来日してデュリュフレを演奏したときは、一音も聴きのがすまいとの思いで聴き、美しい響きを堪能した。

先日(2012年7月21日)、人生で2回目となるデュリュフレの生演奏を聴いてきた。演奏は戸塚混声合唱団/指揮・星野聰。メンバーにお知り合いの方がいて、その方に「デュリュフレのレクイエムは良いですよ」と話をしたらしい。それを憶えてくれていてコンサートの案内を頂き、聴きにいったという訳です。
戸塚混声合唱団第14会演奏会
2014年7月22日
指揮/星野 聡
メゾソブラノ/牧野 真由美
バリトン/成田 眞
オルガン/坂戸 真美
管弦楽/グランベーネ管弦楽団

出だしの数小節で、電光に打たれたように体がしびれてしまい、不覚にも涙が流れてしまった。涙をぬぐい鼻水をすすりながら音の流れに身を任せる。曲が終わるまでの45分間はあの世を彷徨っていたような気がした。私が此の世を去るとき、お別れの会で流してもらう曲は「デュリュフレのレクイエム」と決めていたが、その思いを再確認することになった演奏会だった。本当に素晴らしい時間を過ごせたことに心から感謝したい。
デュリュフレのレクイエムは、グレゴリオ聖歌を引用しており、歌の部分を聴いていると中世の時代にタイムスリップした感覚に陥るし、オーケストラが精妙で色彩的な響きを奏でている時は20世紀の作品以外の何ものでもない。
フォーレのレクイエムと共通する部分が多いと言われるが、20世紀の響きを感じさせてくれるところは、フォーレに無い部分だ。

それにしても、戸塚混声合唱団の皆さんはとても上手だ。聴きていて安心して音楽そのものに集中できる。アマチュアとプロとの距離は少しずつ接近しているように思う。

次回は秋にマーラーの「復活」をやるということだ。これも是非聴いてみたい。

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